西院教室での第1回思考力、論理力を育てる授業(仮)に参加してくれたのは、くみちゃんとだいきくん。

抽象と具体

国語の文法を勉強するにあたって、まずは言葉の整理から始めました。「抽象」と「具体」という小学生には少し難しい言葉も、例を使って考えれば簡単に理解し使えるようになりました。みくちゃんとだいきくんも好きな動物を使って「抽象」と「具体」を完全理解できました。授業の様子を実況するので、少しお付き合いくださいね。

好きな動物は…?

先生「動物だったら何が好き?」

くみちゃん「へび!」

だいきくん「(なぜか小声で)タスマニアデビル」

ふたりとも、なかなか個性的な答えです(笑)タスマニアデビルと言えば、タスマニア島に生息する肉食有袋類。ちっちゃくてかわいいけど凶暴な動物です。

 

グループに分けてみよう

先生「へびとタスマニアデビルは「動物」という同じグループにいるけど、それぞれ別のもっと小さいグループに入れることもできます。知ってますかー?」

だいきくん「知ってる!哺乳類でしょ!」

先生「正解!すごいね!」

だいきくん「ぼく、図鑑を見るのが好きなんだ。図鑑、こーんなに持ってる!」

動物に詳しいだいきくんに驚きながら、くみちゃんにも質問してみました。

先生「くみちゃんは、へびが何ていう仲間の動物か知ってる?」

くみちゃん「はちゅう類!」

先生「おー!くみちゃんもすごい!よく知ってるね!」

ふたりとも詳しくてうれしい驚きがありました。動物の話をしていると、つい理科の授業のようになってしまいますが、肝心なのは「具体」と「抽象」です。軌道修正して質問。

抽象って?

先生「さっき、ふたりに好きな動物を聞いたよね?へびとタスマニアデビルって答えてくれました。へびとタスマニアデビルって、あんまり似てないよね?」

ふたり「うん」

先生「でも、ふたつとも動物です。ヘビとタスマニアデビルをまとめて表すなら「動物」っていうグループで考えればいいよね」

ふたり「うんうん」

先生「それが抽象化です」

ふたり「うん?」

先生「さっきの「哺乳類」とか「爬虫類」というのもグループ名だったよね?」

ふたり「うん」

先生「哺乳類の中にはタスマニアデビルだけじゃなくてウサギとかリスもいます。タスマニアデビルとウサギとリスの共通点は何かなー?どんな特徴を持ったグループかなー?っていうと、哺乳類っていうグループに入れられるんです」

ふたり「うんうん」

先生「で、動物って哺乳類と爬虫類だけじゃないよね。鳥とか…もう絶滅しちゃったけど恐竜とかもいる」

ふたり「おー!恐竜!」

具体化って?

先生「大きなグループのなかに、爬虫類とか哺乳類っていうグループがあって、その中にヘビとかタスマニアデビルがいる。で、ヘビはヘビでもニシキヘビとかアナコンダとか、いろいろいるよね」

ふたり「知ってるー!」

先生「グループを小さくしていくと、その中に入る動物は少なくなる?多くなる?」

ふたり「少なくなる!」

先生「そう!そうやってどんどん少なくしていくと、具体的な動物の名前が出てきます」

くみちゃん「あっ、具体」

だいきくん「グループを小さくしていくのが具体化ですか?」

先生「正解!じゃあ、グループを大きくしていくのが…?」

ふたり「抽象化!」

ふたりとも、大好きな動物を使って具体と抽象のイメージをつかむことができました☆

サンマ事件

さて、動物以外の抽象と具体を考えているときにも事件が起こりました。それは魚を具体化しているときのことです。

先生「サンマってわかる?」

くみちゃん「今日、食べた!」

だいきくん「給食で出た」

先生「あっ、そうなの?こんなサンマだった?(…と、焼きサンマの写真を見せる)」

くみちゃん「ううん、違う!」

先生「じゃあ、どんな風に料理して出てきたの?」

くみちゃん「頭が切られててー、味噌がのっててー」

だいきくん「なんかしゃきしゃきしたやつがのってた」

くみちゃん「それ、しょうがだよ!」

ふたりのおかげで、今日の給食のさんまがどんな風なお料理だったかがよくわかりましたね。

先生「今、くみちゃんが説明してくれたのも具体化なんですよ」

くみちゃん「えっ?そうなの?」

先生「そう。サンマはサンマでも、どんなサンマだったかを詳しく説明してくれたでしょ?」

くみちゃん「うん」

先生「それが具体的に説明するっていうことです」

ふたり「おーっ!」

抽象と具体をつなぐ「つまり」と「たとえば」

さて、抽象と具体を理解したふたりには続けて「つまり」「たとえば」の使い方も覚えてもらいました。「つまり」も「たとえば」も、前後に来る言葉にイコール関係が成り立ちます。でも、その役割は少し違います。

「つまり」のあとは要点

つまりの後ろにはわかりやすく要点をまとめた言葉が入ります。わかりやすく要点をまとめると、抽象的な言葉になることが多くなります。動物好きなだいきくんの発言を使って説明したいと思います。好きな動物について話しているときにだいきくんが言いました。

だいきくん「ぼく、タスマニアデビルとかオオカミとか、黒い動物が好きなんだ」

はい!「つまり」を入れたくなるところがありますね。「タスマニアデビルとか、おおかみとか、つまり黒い動物」としたらどうでしょう?だいきくんがどんな動物を好きなのかわかりやすくなりましたね!

「たとえば」のあとは具体例

たとえばの後ろには具体例が入ります。言いたいことがあるけど、伝わりにくいときには具体例を使うと効果的です。さっきのだいきくんの発言で、言葉の順序を入れ替えてみましょう。

「黒い動物、たとえばタスマニアデビルとかオオカミが好き」

まず「黒い動物」と言ってから、具体的に動物名を並べると、「黒い動物って何だろう?どんな動物がいるのかな?」という疑問が解決しますよね。「わかりにくいことを言っちゃったかな?」というときには、すかさず「たとえば」とつなげれば聞いている人にも伝わりやすくなります。

 

第1回モニター授業まとめ

いかがでしたか?今日の授業はふたりとも楽しく勉強してくれました。アンケートの「楽しかった」も「ためになった」も5点満点!先生、うれしいです☆彡このレポートでお伝え出来たのは実は半分だけ。ふたりが頭を使って挑戦した算数の論理パズルについてもまたレポートしたいと思います。

次回の授業では「対立することば」について勉強したいと思います。

思考力、論理力の授業についてはこちらをご覧ください。

【論理力・思考力】大事なことを読み取る力、伝える力、考える力を育てよう