時代は変わり、塾も変わる

超薄型教室

「玄関開けたらもう勝手口だった」…小学時代の担任の先生が気に入って使っていた超昭和なギャグを思い出します。

それだけ家が狭いという意味なのですが、もはやそんなレベルではない!

薄さわずか1センチのノートパソコンの画面の中に、いつもと変わらない教室風景がある。

ボーっとしていて怒られている子、「先生わからへ~ん」と言ってくる子、熱心に授業をする講師たち。

しかし、ここまで来るのに紆余曲折がありました。

「開けるべきか」「閉めるべきか」それが問題だ

全国一斉臨時休校要請からこの1ヶ月半、状況を睨みながら薄氷を踏む思いで休講、教室再開を決断してきました。

3月の休校要請の時点で

「最悪オンライン授業に切り替えること」

を念頭に、様子を見ながら春期講習はいつも通り教室で行うことに。

 

既に5年間海外子女向けのオンライン個別授業をやってきている当塾としては、オンライン化そのものには心的ハードルはそれほど高くはありません。

しかしながら、教室の生徒全員の授業を一気にオンライン化するとなると少しワケが違う。そう簡単にクリアできるとは思えず、「やっぱり教室で直接授業をする方がいいのでは」という迷いが付きまといます。

 

その間も事態は悪化する一方で、ついに「緊急事態宣言」が発令され、待ったなしの状態に。

さすがに閉めなきゃならないだろう、でも生徒たちを放置はできない…!

 

やっぱり「閉める」! けど「開ける」‼

オンライン授業に移行するうえで私たちが最後までこだわったこと、それは

・指導するときは1対1での個別指導にする

・生徒たちが家に居ながらにして常につながっていられる自習室を作る

この2点でした。

この2点さえ兼ね備えられれば完全オンライン化に踏み切れる。短い準備期間で試行錯誤を重ね納得いくものが出来上がりました。

かくして完全オンライン化が完了し、リアル教室は閉めても、生徒を締め出さないで済む「超薄型教室」が出来上がったのであります!

 

「次元」が違う世界①

今回のコロナウイルスの一件で、学校も会社もそして学習塾もオンライン化が一気に進んでいます。

近年リモートワークが増えていることも、N高などネットを利用した学校が出来ていることも知ってはいても、大多数がどこか自分とは関係のない世界だと思っていたはずです。それなのにこの1か月で、当たり前だと思っていた会社や教室での仕事、勉強が、玄関を出ずして出来るようになってしまった。

私たちの社会は今まさに「次元」の違う世界へと移行しているのではないでしょうか。

 

「次元」が違う世界②

この1週間、教室でやってきた指導と同じことがオンラインで出来ずに戸惑うこともしばしばありました。例えば生徒の間違えを見つけてさっと指さすことが出来ずなんとも歯がゆい思いをすることも。

こちらもまさに「次元」が違う。3次元には3次元の、2次元には2次元の指導の仕方があると頭を切り替える必要はありそうです。

それでもいずれ家に居ながらにして3次元的な指導が出来る時代は来るのでしょうね。だってこんなに薄いモニターに大きな教室全部が入ってしまったのですから。

 

時代は変わるが人間はそれほど変わらない

今回無事にオンライン化できたことは喜ばしいことであり、本当に便利な時代になったものだと感動すら覚えます。

しかし、テクノロジーが進化して私たちの生活はどんどん便利に合理的になっていますが、それと比例して人間は進化できているのでしょうか?

 

よく歴史を学ぶ意味について「過去の失敗を学び、未来に活かすため」と言われますが、これって結局「時代は変わっても人の本質は変わらない」ということですよね。

 

テクノロジー+人による教育

そう考えると「オンライン便利便利」と浮かれてばかりもいられない気がしてくるのです。現時点で画面越しで出来るのは、わからない問題の解き方を教えること、オンラインの自習室でつながることです。でもそれだけでは真の意味で子供が育つわけがありません。まだまだ課題はあります。

人は人にしか育てられない。人は人と交わって成長していく。

古い考え方なのかもしれませんが、これは学校や会社というシステムが出来る前からなされてきたことで、今後どれだけテクノロジーが進化しても残っていくことだと思うのです。

便利なものはどんどん使っていこう、けれどそれでは補えないものは人から人へしっかり手渡ししていくことを忘れてはいけない、

と、奥行きわずか1センチの教室を眺めながら考えています。

 

 

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