茨木市の小学校は17日から2学期が始まりました。

今はまだ1学期の遅れを取り戻している最中かもしれませんが、例年小学校5年生の2学期の算数には重要な単元が集中しています。

なぜ重要なのかというと、中学数学で多くの人がつまづいている単元が目白押しだからです。

2学期の山場① 分数

まず一つ目は通分を用いた「分数の足し算、引き算」です。

通分をしない分数の足し算引き算は4年生で学習済みです。通分とは分母の数字をそろえることです。

そろえるのに一番確実なのは分母の数字同士を掛け算すればいいのですが、計算というのは数字が大きくなればなるほどミスが出やすくなりますからなるべく小さな数字で通分するべきです。

例えば、10と15を通分するのに、掛け算をすると150ですが、もっと小さく、30で通分は可能です。

また、3つ以上の分数を計算するとなると、全部を掛け合わせること自体時間がかかってしまう可能があります。

通分の練習をしっかり!

通分は分母の数字の最小公倍数でするのがベストですが、その最小公倍数がぱっと出てこない方がけっこういらっしゃる。

これは、とにかくたくさんの問題にあたって慣れるしかありません。小学校の通分はやたらと大きな数字になるものもやらされますが(練習だから仕方がない)、中学の計算ではめったと大きな数字の約分は出てきません。

大は小を兼ねる、難しいことをやっておけばあとは楽になりますから、何とか頑張って乗り越えてもらいたいところです。

2学期の山場② 単位量当たりの大きさ

2つ目は「単位量あたりの大きさ」です。

「単位量あたりの大きさ」とは、例えば「8本で2000円のバラの花と7本で1260円のユリの花、1本の値段が高いのはどっち?」とか「25Lのガソリンで275Km走る自動車と、35Lのガソリンで430Km走る自動車ではどちらの方がよく走るでしょう」

というように、ものの大きさを比べるのに必要な考え方で、これって実生活にもとても大事な勉強だと思うのです。まさに生活に役立つ勉強です。

この単元の考え方は中学校のテストで言えば高得点が取れるかどうかの分かれ目になるものです。

小学生に理屈で理解させるのはなかなか難しいところですが、問題文をしっかり読んでそれを実際のこととしてイメージする練習はしておくことが大切です。

図説をする、自分の身近なことにおきかえて考える

先ほどの「8本で2000円のバラ」と文章だけで見ていても何もわかりませんが、実際にバラの花(下手でもなんでもいいから)を8本書いてみて、そこに全体で2000円になることを書き込むと「じゃあ1本の値段はどうやって出したらいいか」が少しわかりやすくなります。

なんだったらそこに自分が買い物するというイメージも加えると、損得勘定に熱が入ります。

文章題は自分で図説できること、また身近なものに置き換えて考えてみることが大事です。

ハードルは低いうちに乗り越える訓練を!

その姿勢を身につけるのならばなるべく早いうちがいいですね。問題レベルが簡単なうちに「出来た!」という成功体験を積ませておいた方がいいと思います。

中学生ぐらいになると「その問題は自分にはムリ!」という拒否反応が強くなって、問題文さえ頭の中に入ってこなくなります。

単純な問題のうちに、いろいろ絵を書いて時間をかけて解いてみることが出来るのは、小学生のうちです。

2学期の山場③ 速さ

さらに3つ目は「速さ」です。

これこそ、中学数学の文章題の苦手パターン1,2位を争うもの。加えて理科にも「速さ」の計算は必要になります。

もともと「速さ」は6年生で勉強する単元でしたが、今年の教科書改訂により5年に移動されました。

考え方は単位量と同じ

「速さ」も結局「1時間あたり」「1分あたり」進む距離という「単位量あたりの大きさ」の考え方なので、一気にやってしまうのも理にかなっているのではないでしょうか。

基本の公式「速さ=道のり÷時間」は覚えているし、使えるけれど、速さはわかっていて道のりがわからなかったらどうするのか?とか、速さは時速で時間は分で表されていたらどうするのかなど、式の変形や単位の変換もできるようにしていかなければなりません。

最初は出来るだけ基本問題のみを繰り返す

これらも先ほどと同じく絵(図)で書いてみて考える練習が大事です。

市販の問題集だと基本問題の数が少なく、直ぐに複雑な問題に進んでしまい、自信を喪失してしまうこともあります。

最初はなるべく平易な問題をたくさん解いて作業として覚えさせて、自信をつけさせた方がいいでしょう。

単純作業が安定してはじめて単位変換にも意識が行き始めます。

最近は速さの計算のアプリもあるようです。ちょっと楽しみながら慣れさせていくのも有効な学習法だと思います。

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