中学生の2学期期末テストが終了しました。

毎回テストが返却されてくると、「ここは暗記すればできたはずなのに…」とため息をつかれる保護者さまも多いはず。

「暗記」だけでは通用しなくなってきている昨今の学校のテストですが、「暗記」が出来ていなければ「思考」も「表現」もあり得ません。

暗記養成ギプス You-学舎名物“テストキャンプ”

You-学舎では、定期テスト直前の土日でひたすら暗記をさせる「テストキャンプ」を実施しています。

余談ですが、偶然テストキャンプを実施した日の夜に、社会人になった元生徒が教室に顔を出してくれました。

今日はテストキャンプだったと言うと、

「うわぁ~~っ!懐かしい~~~!!しんどかったよなぁ…」

でも妙にうれしそう。テストキャンプはママの味、いや、You-学舎の味なのです。

暗記のための試行錯誤の末…

進め方はいたってシンプル、全科目のテスト範囲の暗記事項を覚えてテストの繰り返し。しかし覚える方も大変ですが、覚えさせる方も楽は出来ません。

テストの方法や座席配置などマイナーチェンジしながら、どうやったら生徒たちが集中して正しい暗記作業を進められるかを追求してきました。

これが最終形かどうかはまだわかりませんが、今回その導入によって劇的に暗記のスピードを上げたスグレものアイテムがこれ!

…ただの“キッチンタイマー”です。

12年続けて初めての快挙!

「な~んだ」と思われるかもしれませんが、いやいや、バカにすることなかれ。

いつもなら2日間かけても全部覚えきれない生徒が少なくても3~4人はいるところ、今回は全員がやり切った!

しかも半数が2周するという、今までにない効率のよさだったのです!!(感涙)

暗記下手の2つの特徴

暗記がヘタな子の特徴は

① 覚えるのに時間をかけすぎる

② 答えを見ながらひたすら書く

この二つです。

暗記は入れることだけではない

「覚える」という作業には“インプット(入れる)”と“アウトプット(出す)”という2つの過程が必要です。

延々と同じことを入れ続けても、出してみなければ覚えられたのかどうかはわかりません。

時間をかけがちな子は、慎重だったり、自信がなかったり、間違えるのを怖がったりといろいろ理由はありますが、テストして試すことをためらいます。

暗記はじっとしていてもダメ

また「時間をかける」ではなくただ単に「時間が過ぎている」、つまり覚える姿勢が出来ていない子もいます。

このパターンは読むことも書くこともなく、とにかく動かない。動かないからいつまでたってもテストが出来ない。見るに見かねてテストをさせても合格できない(当たり前だ!)からますますやる気がなくなる…もうドロ沼状態です。

たいていの子共の「書いて覚える」は間違ったやり方です!

さて、よく言われる「書いて覚える」という方法ですが、使い方を間違っている子供が(実は親御さんも)多いと思います。

「書き方」を間違えるとまったく意味がない!

「書いたら覚える」は幻想だ!

間違った書き方が②の「答えを見ながら書く」です。

答えを見ながら書いている子は答え“だけ”を見ています。

例えば「伝統的な」という英語の単語を覚えるのにひたすら“traditional”だけを見てノートに書き続ける…おかしくありませんか?

traditionalが何かも考えずに書けるようになっても使えるわけがありません。

そもそも見ながら書くのは「覚える」ではなく「書き写す」です。まあ、100回くらい書き写せばさすがに頭に入るかもしれませんが、苦労して書いて、でも意味を置き去りにして結局使えない。そりゃあやる気もなくします。

「書く」とはつまりテストすること

10回見ながら書いて練習するよりも、いきなり何も見ないでテストしてみて、間違ったら正しい答えを見て、また何も見ないでテストしてみるの繰り返しをした方が確実に頭に入ります。しかもこの場合は常に問題をまず見てから答えを書こうとするので、答えだけの丸呑みにはなりません。

時間制限の効能

で、タイマーの出番です。

「覚えたらテスト」するのではなく「時間が来たらテスト」することで、時間をかけすぎることはもちろんなくなります。

また、短時間で追われるようになると、10回20回書き写す余裕がないことに子供たちも気づきます。

決められた時間だから集中しますし、書くスピードも速くなり回転数が上がります。

不思議なもので、私たちが「テストするで!」と声をかけても「待って!」と抵抗する子供たちも、タイマー様の“ピピッピピッ”という音には従います。

完璧にしてからの1回のテストよりも間違いながらの5回のテストの方が有効

時間を決めてテストをしてみて、覚えられていなければもう一度覚えてまたテストの繰り返し。これが暗記の近道であることを暗記下手の生徒たちも実感できたのではないでしょうか。

今までできなかった最後の1枚まで行きついたのですから。

暗記にはリズムも大切

暗記が上手な子はタイマーなしで進めましたが、タイマーを使う子がリズミカルになると、使わない子もそのリズムに乗せられるのか調子が上がるようでした。

暗記が苦にならない子もタイマーでメリハリをつけるとより効率が良くなると思います。

お家でやる時は

タイマーの時間は無理な設定はせず、子供が「これならできる!」と納得する時間にすること、また科目によって入りやすい、入りにくいに個人差があるので科目ごとに変えてあげることも大事です。

また、同じ科目を延々続けるよりも、45分~1時間ごとに科目を切り替えて5科目をグルグル回した方が効率が上がります。

家でやる場合、特に学年が低い場合はしばらくは目の届くところで「じゃあ10分でやってみよう!」とタイマーを押してあげて(人に押してもらった方が試されている感がUP)、タイマーが鳴ったら「はいっ!テスト!!」と声をかけてテンションを上げていくことをお勧めします!