ゲームは子供にとって毒なのか?

入試シーズンの真っ只中高3生は全員スマホ封印、教室にいる間は勉強以外のことで触らなくなります。

しかし、中3生はどうかと言うと、たとえ5分でも休み時間があれば、即スマホを引っ張り出して、特に男子はゲームをし始めます。

まさに「寸暇を惜しんで」

ここまで熱心だと、怒りや呆れを通り越して感動すら覚えてしまう。

受験生である中3生でこれなのですから、目先の目標がない分小学生、中1、中2のお子さまはゲームにのめりこんでしまうことも多いのではないでしょうか。

ゲームのなにがそんなにいいの?

私はゲームにそれほど関心がないので、子供が(今どきは大人もですよね)ゲームに夢中になる理由がイマイチわかりません。

塾での三者懇談でもしばしば保護者様から、ゲームのやりすぎやそれが原因での寝不足についてのお悩みを耳にします。

家でさんざん小言を言われても、めげずにやり続けるそのパッションがすごい。

そこで、ゲームの何がそれほど子供を夢中にさせるのかを調べてみました。

子供がゲームに夢中になる理由

①明確なルールと目標がある

②非現実的世界の中で自分が主役になれる

③目標をクリアすることで達成感、高揚感を得られる

なるほど。これは気持ちよくなっちゃうな~。夢中になるのもうなずける。

ゲームの魅力にちょっと納得

つまり、ゲームにのめりこむ子供は

“ルールに則り目標に向かう道筋を知っている”

“ステップアップすることに喜びを感じている”

ということになります。

攻略するために調べたり、工夫したり、情報交換したり…

これって、勉強やひいては仕事にも必要なスキルですよね。

もちろん、全員がこれに当てはまるとは限らないですし、やっている本人たちに自覚があるわけでもないのですが、それでも「達成することに喜びを感じている」のだとしたら、捨てたもんじゃないと小さな希望が持てました。

ゲームと勉強の違い

「達成感なら勉強でも得られるはず」

というのは大人の理屈。

勉強とゲームの違いは

“ルールが単純明快でない”

学校での勉強は科目ごとに知識(ルール)が次から次へと増えていきます。しかも複雑。

“成果がすぐに出にくい”

勉強は努力した結果がその場ですぐに出ないことの方が多いものです。なかなか簡単に達成感を得ることが出来ず、心が折れてしまうこともしばしば…

なによりも“おもんない”

勉強が面白くないことの根っこになるのは「わからない」です。ゲームでも自分の身の丈に合わない難しいものは面白くないでしょうし、すぐに投げてしまうのではないでしょうか。

ゲームは面白くなければ他のものに変えれば済みますが、勉強は分からなくても続けなければならない。「わからない」は更に「わからない」を引き起こし、もう「おもんない」レベルではなく「吐くほどキライ」になりかねない…

勉強をゲームに“寄せる”

ゲームと勉強は同じようにはいきませんが、勉強にゲームの要素を入れていくことは可能です。

まず一番大事なのは

“子供に合ったレベルから始める”つまり分からなくなったところに立ち戻らせることです。

いきなり面白いにはならないにしても、わからないという不快感を取り除くことで前進する意欲は芽生えるはずです。

また、“成果が子供にもわかりやすく、達成感を簡単に得られる工夫をする”

例えば「〇問正解したら今日の勉強はクリア!」

最初から30問とか100問などと大きな数字にすると、数字だけ見て「自分にはムリ」と投げてしまうので、ほんのちょっと頑張れば達成できる数にするのがコツです。

ゲームをすること自体は悪くはないが…

勉強よりもゲームが好きなのは特に問題があるとは思いません。

ただし子供がゲームに夢中になりすぎて何時間もゲームしかしないとなると、結果的に勉強する時間が無くなり、わからないことが増えていき、勉強ギライになるという悪循環が必ず起きます。

コントロールは子供にはムリ!

ゲームは単純に「悪いもの」と決めつける必要はありません。ゲームを毒にするも薬にするも“本人次第”…と言いたいところですが、“大人次第”です。

「ゲームは1時間までと約束をさせる」というアドバイスを見かけましたが、

いやいや、口約束ぐらいでは子供はゲームの引力に勝てません。

正しくコントロールをして子供を守る!

自主性に任せるのではなく、あきらめさせること、使えなくすることです。

今どきはスマホを使ってのゲームが主流です。スマホには時間やアプリ使用の制限をかける機能やアプリもたくさんあります。

早いうちから「ゲームは大人が管理コントロールするもの」という認識を親子で持つようすることが重要です。年齢が上がるほど抵抗が激しくなりますから。

ゲームに夢中になる理由の中には、子供の能力を伸ばす良い要素もありますが、使い方を間違えると猛毒になる可能性もあります。

「ゲーム障害」という言葉を聞いたことがありませんか?

WHO(世界保健機関)ではこの「ゲーム障害」を新たな病気として2019年5月、国際疾病分類に加えたのだそうです。

ゲームそのもの、ゲームに夢中になる子供を非難するのではなく、ゲームの魅力も理解したうえでバランスのいい使い方をさせていくのが、大人の務めなのだと今回認識を新たにしました。

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