今まで多くの生徒たちを見てきましたが、「国語力」は受験に効きます。
理科や社会を学習するにも、数学の文章題を解くにも「国語力」は必要だからです。

英文法は危なっかしくても、国語力を駆使して英語長文の内容を読み取る生徒もいます。(もちろん、国語力だけでは英語は乗り切れませんが、、。)

でも、個別指導塾に通っている中学生・高校生は数学や英語を受講していて、国語を受講しないケースが多いのです…。

学力の土台である国語を伸ばしたいのに、国語の授業がないわけです。私たちは、この現状をずっと何とかしたいと思ってきました。そこで、今年度から全教室で新たな取り組みを始めました!!

授業中に「国語力」コーナーを作りました

今年度から、数学の授業でも、英語の授業でも、理科の授業でも、90分授業の真ん中の10分間を「国語力」の時間にしたのです。
小学生~高校2年生まで全員、「国語力」の課題に取り組んでいます。高校3年生は入試まで半年ほどしか残っていない生徒もいるため、今回は見送りました。

生徒たちの様子を見ていると、授業にメリハリをつける上でも、10分間の国語力コーナーは効果がありそうです。

新聞コラム・名文の書き写し

新聞に触れる機会が減った

春の個別カウンセリングで保護者の方に「新聞をとっていますか?」と質問をしたところ、圧倒的に新聞購読をしていない家庭が多かったです。
ニュースはネットの方が速いですし、スーパーのチラシもスマホで見ることができますからね。当然の流れだと思いますが、生徒たちには新聞記事に親しんでもらいたいです。

書き写しにはいいことがたくさん

数学や英語の授業進度を考慮すると、国語力に使える時間は10分だけです。長文を読むわけにはいきませんから、短時間にできることとして、文章の書き写しをしてもらうことになりました。

ただ書き写すだけ?と思われるかもしれません。でも、

  • 読み書きに抵抗がなくなり、スピードもつく
  • 語彙が増える
  • 社会の動きをしり、正しい分の使い方に触れられる

などなど、いいことがたくさんあります!

2009年の出来事を知る

第1回目のコラムには、2009年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)、韓国との決勝戦で決勝打を放ったあとのイチロー選手のインタビューが取り上げられていました。

お母さんお父さん方は覚えていらっしゃると思いますが、新中学1年生に
「2009年って何歳だった?」ときくと、「1歳」とのこと!!当然ですが記憶があるはずもなく、高校2年生でも5歳ですからね。イチロー選手のことは知っていてもWBCでの決勝戦の話は初めて知った生徒が多かったのではないでしょうか。

文章の書き写しをしながら、新しいこともたくさん知ってほしいです。

14歳で初めて野球の攻守交替ルールを知った

今回、印象的だったのは中3のSさんとの会話でした。初めての書き写しタイムを終えたSさんに、意味の分からないことや知らない言葉はなかった?と尋ねると「延長十回、二死 二、三塁の場面で~」の部分を指して、

「二死って何ですか??」
思いもよらない部分だったので、
「え?どこが分からないの?」
と思わず聞き返してしまいました。

よくよくSさんと話をしてみると、野球に興味もないし、お父さんがプロ野球を見ることもなく、野球が3アウトで攻守交替というルールを知らなかったのです。

「なるほど、そう言うことか」というSさん。

「すごいね、今日は一つ新しいことを知ったね」と一緒に大笑いをしました。

普段は興味がなくて読まないような分野の文章にも、どんどん触れてもらいます。

一生モノの力をつける!

すぐに結果が出る取り組みではありません。

毎回10分だけの国語力の時間ですが、中学1年生の初めから高校2年生まで、様々なテーマの文章に触れて、語彙や知識を増やしていくことが持つ意味は大きいと考えています。

もちろん入試の合格や学校の成績を上げることが第一ですが、大人になったときに、塾でずっと書き写しをしていて良かったなと思えるような「一生モノの力」を付けられる塾を目指しています。