去年の小学校に続き、今年は中学校の教科書が改定されました。

そして来年は高校の教科書が変わります。

紙の中身ではなく、子供の未来の変化です

今回の教科書改訂は10年に一度の「学習指導要領」改訂に連動するものなので、単純に教科書の中身が変わるというものではなく、学び方、学ぶ目標が大きく変わります。

小、中、高での学習の変化はちょっと大袈裟に言えばお子さまの生き方や価値観にも影響するものです。

これから求められる力「思考力」「判断力」「表現力」

今回の学習指導要領は、これから社会に出ていく子供たちに「予測困難な社会を生き抜く力」を身につけるための改訂とされています。

確かに「予測困難」ですよね。

ここ何年でよく、「AIの登場によって10年後、20年後無くなる仕事がある」という言葉を見聞きします。

その逆に、今までなかった仕事も次々に生まれています。

また2年前に、町中の人がマスクをして、外食は出来ず、オリンピック開催も危うい世の中になると、誰が予測できたでしょう。

先がまったく見えないこれからの時代を生きていくために必要なのが

「思考力」「判断力」「表現力」です。

今までの教育ではムリ

一般的に今まで日本人はどちらかというと暗記偏重の教育を受けてきて、思考したり、判断したり、表現したりする教育を受けてこなかったとされています。

たしかに私たち大人が受けてきた授業は「先生が教えてくれるものを丸呑みするもの」だったと思います。

そしてテストは教科書に書いてあること、先生が教えたことを正しく覚えているかどうかを確認するものなので、答えは限定され、数値化もされやすいものでした。

ただ受け身で教えてもらうスタイルの今の教育では、主体的に学び、「思考力」「判断力」「表現力」を育てていくことはむずかしいとなったわけです。

理想的な学びの落とし穴

しかし、思考、考えることは人それ違い、表現の仕方も正解がなく、それを育み評価することは至難の業です。

とはいうものの、とにかく変化し続ける社会に適応し、諸外国と渡り合っていくためには「思考力」「判断力」「表現力」を育てていかなければならない。

ここ何年かで教育の現場に浸透してきた“主体的、対話的で深い学び=アクティブラーニング”が今後ますます授業に取り入れられることになります。

子供たちが主体、対話的、深い学びをすることは大変いいことだと私も考えますが、先ほども言ったように、正解の出にくい、数値化のしにくい学び方は教える側の技量によってかなり差がでます。

それこそ、その学び方が正しかったかどうかすらも見えにくく、教える側も教わる側もモヤモヤが残りそうです。

入れないと出せません!

思考するにしても、表現するにしてもまずは知識や技術が入っていないとできないものです。

つまり出す前には必ず入れる作業が必要だということです。

“暗記偏重”というとなんだか暗記が悪いことのように聞こえますが、それは違います。

「思考力」「判断力」「表現力」はベースに知識と技能があってのことですから、今の子供たちは私たちがやってきた「暗記」をやったうえでさらに「思考力」「判断力」「表現力」を身に着ける学習が必要になっているのです。

入れる時間が減ってしまうかも…

ただ、学校の授業時間は一時に比べて増えてはいるものの時間数は限りがあります。先に言ったアクティブラーニングなどの活動学習にも授業時間を割かなければならないので、結果的に暗記や問題演習の時間は少なくなります。

(かといって小学生のうちからまなじりつり上げてガンガンに勉強するべき!というつもりはありませんが・・・)

「検定」のススメ

理解の度合いをはかるのは「テスト」ですが、小学校のテストはそれほど難しくなく、また中学校や高校のようにテスト期間に一気にやることもないので日常に埋没してしまいます。

失礼な言い方になりますが“やりがいのないテスト”になってしまいがちです。

小学校のうちから努力の成果を数値化して、勉強のメリハリをつけるためにおススメするのが

「検定」

です。

小学生が受けられるものとしておススメなのはベタではありますが

「英検」「漢検」「数検」

です。

検定=資格は受験や就職、仕事に有利になるかどうかという観点で語られがちですが、早いうち、小学生のうちの検定はあまり実利を求める必要も少ないので、どちらかと言えば子供の知識を蓄え、自信をつけていくために利用するといいでしょう。

ですから無理はさせず、取れるところからゆっくりやっていけばいいと思います。

英検と大学入試

大学入試改革の目玉として騒がれていた英語の外部検定試験の取り扱いについてはこの夏に回答があるとされていますが、外部検定試験を導入している私大はどんどん増えています。

人より早くスタートすれば人より遠くまで走れます!

いずれは取っていかなければならないものならば、切羽詰まってから始めるより、早めにスタートすることで速度はゆるくとも結果的に高いところに到達できる可能性が高くなります。

定期テストにしばられない小学生のうちからできる一生モノの知の財産づくりに取り組んでみていただきたいと思います。