受験生以外も知っておきたい公募推薦。関西大学の入試要項から戦略を考えてみよう

非受験生の人は公募推薦に関して、どれくらい知っているでしょうか?

11月、12月ぐらいに入試があって、評定平均があった方がいいらしい。というぐらいは知っている人が多いかと思います。

でも実際には、英検のような別の出願資格が必要となる場合もあります。

そういった公募推薦のことを関大を例に、紹介していきたいと思います。

関大が公募推薦を行う学部

関大は上記の学部のみですが公募推薦を行います。

商学部は併願可能ですが、工学部系は専願です。

他の大学では併願が多いようには思いますが、大切なことなので必ず確認しましょう。

出願資格と倍率

関西大学レベルの出願資格だと、それなりに高いレベルを求められています。

普段からしっかりと勉強をして定期テストでしっかりと点を取ってきた人に有利になるようになっています。

公募推薦の倍率

関大の場合、全体的に2倍程度の倍率です。

募集人数こそ少ないですが、一般入試の実質倍率である5倍などに比べると、お得な入試制度と言えそうです。特に商学部は昨年の倍率が1.25倍とかなり低くなっています。

この状態は関大だからこそではありますが、挑戦してみても良いでしょう。

他の大学、例えば近大だと一般と同じくらいの倍率になっていますので、ここまでお得ということはありません。

ただ、本番を早めに一度体験できることは悪いことではありません。公募推薦が併願扱いの大学であれば、滑り止めとして受けて、本命に集中することもできます。緊張しいの人にとってはチャンスが一回だけではないというのは大きいですよね。

商学部の出願資格

評定平均4.0以上もなかなか厳しいです。この評定平均であれば、他大学の指定校推薦も狙えます。

この出願資格の中で、ネックになるのは簿記の検定かと思います。

一般的な学生は簿記の検定を取っていないので、出願資格はそろわないことがほとんどでしょう。このことが倍率の低さにも表れています。ということは、逆に資格さえ取ってしまえば有利に受験できます。

商工会議所の簿記であれば2級が必要で開催は6月、11月、2月の年3回、商業高校協会の簿記実務であれば1級が必要で6月と1月の年2回実施されています。

商学部の倍率は低く、一昨年で2倍、昨年は1.25倍です。

簿記資格を取るであろう商学系の高校は、全商推薦も使えます。これも商学部の公募推薦入試の倍率が低くなっている原因と考えられます。

英語検定に関しては、英検2級レベルです。出願資格としては英語検定は珍しくありません。関大を受験するかどうかに関係なく、計画的に取っておきましょう。

工学部系の出願資格

関大の工学系の公募は専願(受かったら必ず入学する)です。

履修科目の指定もありますが、理系なら普通は履修しているので大丈夫でしょう。学部・コースによって出願資格は細かく分かれています。

システム理工学部
数学科

評定平均が全科目ではなく、一部の科目です。数学系4.5以上、国語系4.0以上です。

物理・応用物理科

評定平均は英語・数学・理科系科目の平均3.5以上

機械工学科・電子電気工学科

評定平均は英語・数学・理科系科目の平均4.0以上

環境都市工学部
都市システム科

英語・数学・理科系科目の平均4.0以上

エネルギー環境科・化学工学科

英語・数学・理科系科目の平均3.5以上

生命工学部
化学・物質工学科と生命・生物工学科

英語・数学・理科系科目の平均3.5以上

数学科の数学4.5が、なかなか厳しい線引きです。

普段からしっかりと定期テストの点数を取り5を目指している必要があります。

また、数学科は国語関係の科目の平均も4.0必要です。得意な数学だけ頑張れば良いというものではないですね。

他の学部は英数理の平均で見ています。

ラインの違いはありますが、きっちりやれば十分に超えられるラインだと思います。科目も全教科でない分、指定校よりは易しめです。

試験内容

関大の公募では小論+面接です。

他の大学ですと、普通の学科試験を行うことが多いです。

商学部

過去問では課題解決系の小論が2題出されていました。

文章やグラフで題材が与えられ、それを改善・解決するために必要なことの論述が求められます。

問題の出し方そのものはオーソドックスです。

学部に関係のある題材で論述の練習を重ねましょう。

他大学でも良いので、商学部で癖の少ない小論過去問を利用するのがおすすめです。

工学部系

コースのそれぞれに過去問があるので、必ず行きたいコースの過去問に目を通しましょう。

小論文となっていますが、通常の英語か理系の記述問題+論述のパターンです。

学部によって解答形式は穴埋めであったり、記述であったりと異なります。

論述もパターンが異なり、電気電子情報工学科の「IT関連の知識」を問うような問題もあれば、物理・物理応用の「普段の生活の中で経験する現象のメカニズムを説明せよ。」という問題があります。また、その学部でどういったことを研究したいか。などもありますが、これは受験するなら書けるようにしておいて当然の内容です。

理学部などによくみられるのですが、「生活の中で活用されている技術をのべよ」「環境問題にどのようにアプローチできるか」などのように非常にさっくりと問われます。

よく見る課題解決系の小論の対策だけでは、まず答えられない問題です。

論述を意識した専門知識の吸収が必要です。流行りの技術はあるので、それをいくつか調べておくのが無難な方法ではあります。

面接

面接は口頭試問も含まれます。

商学部の小論では、学科の基礎を問われることはなかったですが、面接では聞かれるかもしれません。

学部問わず、専門教科の知識はつけておきましょう。

言わずもがなですが、一般的な質問にもきっちりと答えられるように対策はしておきましょう。

また、小論のように書いてで論述することと、口頭で論理的に受け答えすることは別物です。小論で専門的なことは学習するからと口頭試問の練習をおろそかにしないようにしましょう。

公募を見据えた戦略

絶対に必要なのが評定平均です。定期テストは普段からしっかりと取り組みましょう。

工学部系

理系の人は余裕があるのであれば、指定校推薦を狙うつもりで勉強を行った方が良いでしょう。関大の場合は公募推薦でも専願のため、関大を狙うのであれば指定校推薦の方が安全に受かります。指定校推薦の評定平均基準や人数は高校ごとで決まっているので、各自進路指導室で確認しましょう。

全教科やる余裕がないという人は、公募の基準になっている科目を重点的に行いましょう。数学科を目指す人は数学の評定平均は4.5ある必要があります。そのためには毎回5を取るぐらいの気持ちが必要です。他の学科でも英数理で3.5~4が必要です。全部の教科を5取るのは難しいかもしれませんが、一部をしっかり、他はそこそこという取り方であれば負担はそこまで大きくはならないでしょう。

また、英数理は私立の一般入試にも使える科目ですから、普段からやっていて損はありません。

一般も見据えて科目の本格的な勉強は2年の冬から、小論、面接の対策に関しては三年の8~9月頃にスタートさせましょう。

普通の勉強に並行して小論の書き方や専門知識をつけていきます。英語も科学系の長文を読んでおくと役に立つでしょう。

商学部

文系の商学部に関しては、受験資格の時点で全教科の評定が必要です。公募で求められている評定平均4.0で指定校が取れるかというと難しいです。学校内でそれ以上の評定を持っている人はいると思った方が良いでしょう。

商学部の公募は併願で受けられます。しかし、簿記の資格を必要とし、小論、面接が行われるため、関大用に勉強時間を取る必要があります。国立を考えている人のすべり止めとしては、そこまでおいしい入試ではないかもしれません。

倍率が2を切るときもあるくらい低めではあるので、私立で考えている人にはお得ではあります。簿記の資格も取っておいて損するものではありません。将来的に役に立つ可能性は大いにあります。

ただし、簿記の資格は決して簡単に取れるレベルではないので、しっかりと勉強して挑みましょう。

二年の間に英検、簿記を取ってしまえば、あとは小論と面接の対策です。一般に向けた勉強と並行して3年の夏ごろに始めましょう。

公募推薦に科目の試験がないからと、科目の勉強をおろそかにしないように。あくまで受験方法の一つですので、一般での受験も視野に入れて勉強をしていきましょう。

今から始めるべきこと

ここまで読んだ高校生は、志望大学などは決まっていない人がほとんどだと思います。

そういう人がまず始めるべきことは、情報をしっかりと仕入れることです。何を決めるにしても情報は必要です。

好きなこと、おもしろそうなこと、勉強してみたいこと、知っている学部。

なんでも構いませんので、そこから少しずつ興味を広げ、目標を見つけていきましょう。

一人では難しいという場合は、一度塾に相談してみてください。

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関西大学合格体験記もありますので、こちらもぜひお読みください

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