共通テストとセンター過去問の違い
明確な違いは思考力の問題の増加と言われていますが、それ以上に時間配分の難しくなっています。つまり、処理能力が求められています。
記述式での回答が先送りにされているため、しばらくの課題は思考力問題への対応と、問題処理能力の向上ということになります。
文系科目は思考力問題による影響が大きい
特に影響が大きいのが文系科目の英国です。
出題の方法が大きく変わったため、しっかりと対応したいところです。
表や図を見て応えることが増えたり、そもそも今まで聞かれていなかったような内容が聞かれるようになっています。確認する箇所が増えており、表なども読み取らなければいけないため、情報処理能力も求められています。
社会も今までは暗記の色が強かったですが、これからは丸暗記で通用しない問題も出てきます。
共通テストを意識した対策が必要でしょう。
理系科目は思考より、処理能力
理系科目も出題の傾向は変わっていますが、文章を読む、表を読み取るなどは理科科目でもそれなりにあったはずなので、そこまで大きな変更とは言えません。
また、基本的には理解重視で、丸覚えすることも少ないため、思考力問題への対応も容易でしょう。
ただし、時間だけは厳しくなるかもしれません。センターに限って言えば、出題パターンを覚えてしまうことで、計算などを迷わずに実行することができました。出題方法の変化により、それが通用しなくなるため、理系科目は最適な解き方を見つけることや処理能力の向上が求められるでしょう。
計算などに関しては、割と同じ数字が使われるので、よく出て来るものに関してはきっちりと覚えてしまってください。計算の工夫も必ず身につけておきましょう。前から計算して良いのは小学生までです。
文系は思考力問題への対応を、理系は処理能力の向上を目指しましょう。
対策の流れ
教科によって多少使う使わないはありますが、まずは基本を仕上げましょう。
教材の参考はこちら
基本ができたら、過去問を触ります。共通テストの比重が重いのであれば
センター試験過去問 ⇒ 共通テスト系の模試、試行調査
という順番でよいと思います。
そこまで共通テストの比重が重くないのであれば、共通テストのみの対策でも良いとは思います。
各科目の具体的な変更点
英語の変更点と対策
英語の単語レベルは英検2級程度までです。
センター試験と異なり、文法問題はありません。
すべてが文章等からの読み取りになります。時間が厳しいので普段から解くスピードには意識しましょう。
文章問題はセンターと比べてどのように違うのか?
文章の形式は同じものもあれば、異なるものもあります。
ただし、質問文はすべて英語になり、問われる内容は根本的に異なります。
他にも、単純な出し方ではなく、表と文章がリンクしていたり、図の料金の説明がされていたりと情報を処理する必要が増えています。
その分、「文章のここに答えがある」というような問題は減っています。根拠となる点が複数に分かれているものもあり、情報を正確に見つける力が問われているといえます。
特徴的な問い fact (事実)とopinion (意見)を分ける問題
factは、ある事象に対して何人に聞こうが答えが変化しないものです。
opinionは、人によって答えが変化します。程度を表すものです。
事実を変えることはできませんが、意見は変えることが出来ます。
例を出してみましょう
今現在の年齢は明らかに決まっています。
この数字は誰がなんと言おうと、誕生日を迎えない限り変化しません。(サバを読んだところで実年齢が変わるわけじゃない)
しかし、「若者」はどうでしょうか?
何歳まで若者と呼ぶのか、これは人の感覚にある程度依存し、人によって答えが変わります。
事実と意見の区別をつける必要があるので、しっかりと慣れておきましょう。
センターとの解き方の違い
センターの長文は正直、内容を読めれば解ける問題でした。
知識と読むスピードがあれば何とかなったのです。
しかし、共通テストでは、ただ読めれば解けるという問題ではなくなっています。
長文の情報を見つける。そこから自身で意見か事実かを考える。というような手間が増えています。
該当箇所との関連を探すだけでなく、それプラスの操作が求められているのです。
この感覚は基礎を鍛えるだけでは身につけることはできません。必ず、共通テスト形式での練習をしてください。
国語の変更点と対策
論理的な文章、物語的な文章に加え、実用的な文章が増えました。
考察する問題が出てくるため、こちらもただ読めるだけでは解けない問題が増えています。
かと言って、読めなくて解けるかと言われたら無理です。ですので、基礎的な知識、読み方は必ず身につけてください。いわゆる読解力です。
具体的には語彙を増やし、線の引き方を覚え、文章をできるだけ多く読みましょう。
読解にテクニックは必要?
強いてテクニックで見に付けておいた方が良いことを言うならば、流し読みで良い場所を見分けられるようになりましょう。全部をきっちりと読んでいたら時間が足りなくなることもあります。
読むのが速い人は別に全部読んでもいいかもしれませんが、自信がないのであれば、比喩など表現技法の知識は入れておいて損はないでしょう。
特に、読むことに慣れていない理系の人はテクニックでカバーすることを考えても良いでしょう。来年以降受験の人は、普段から本を読むようにしてください。
解き方の基本
国語の問題も、問題である以上論理的です。感覚で答えてはいけません。一般的な事実も関係ありません。「自分がどう思うか」ではなく「どのように書いてあるのか」が重要です。
問題作成者の意地悪な誘導に乗らないように気を付けましょう。
古文漢文は?
古典・漢文には大きな変更はありません。
暗記が最重要です。古典単語、古典文法、古典常識、漢文の句形。これらをしっかりと暗記してください。
あまり変わっていないので、センター過去問で演習をしっかりと行いましょう。
数学の変更点と対策
パターン問題ではなくなり、理解を必要とする問題になっています。
そのため、過去問をやってパターンを覚えておけば何とかなるという状態ではなくなりました。
問題の出され方として、文章題のように出されるものもでてきています。
文章題が苦手な人は、情報を読み取ることに苦労するかもしれません。しかし、共通テストの文章であれば、そこまで難題ではありません。落ち着いて情報を読み取りましょう。
対策する際の注意点
理系の人にとっては元から二次対策で思考問題の練習はしていますし、大きな変化とは言えないでしょう。
文系の人は、パターンで乗り越えるのが厳しくなったので、基礎から考える力を身につけておく必要があります。今までと違い、少し比重が重くなるでしょう。
青チャート等でも十分対応できるとは思いますが、模範解答の使い方には注意しましょう。
きれいな答えの書き方のまま覚えるのではなく、何を求めたいのか、そのためには何が必要か、といった思考の順番を気にするようにしましょう。
先に必要なものを準備してしまう「きれいな解答」は確かに見やすいですが、理解には向いていません。
なぜその値を求めるのか、多少見辛くなってでも、思考の順序を追えるように書き込みをしていきましょう。
時間も基本的には足りないので、正確に素早く解くこと、省ける計算は省くことが求められます。
図形はパターンを覚えることも大事
パターンじゃないから丸覚えは意味がない。と言っておいてなんなんですが、お決まりの図形は覚えておきましょう。辺の長さが整数になる図形は出るものが限られています。見つけにくい図形の解き方もですね。
正攻法だとまず時間が足りなくなるので、きっちりと対策はしておきましょう。
理科の変更点と対策
正直、二次試験やるのでそこまで大きな影響はなさそうな科目です。
ただ文系の人で生物や化学を解くなら、少し重たくなっているので、早めに取りかかりましょう。
物理
細かい変更点が多いです。唯一大きい変更は原子の単元が普通に出てくる点でしょうか。
表の読み取りや、身近な現象での問題が増えています。しかし、問われる知識が変わったわけではないので、知識があれば解ける問題です。理論上での事象の理解を身近な現象に当てはめるということなので、そんなにやることは変わりません。二次対策ベースで進めていきましょう。
計算は少し減っていますが、かといって解けなくて良いわけでもありません。理論の理解をしつつ、公式の繋げ方、計算の流れを覚えながら進めていくしかありません。
基本の勉強は、学校の問題集で問題ありません。
実力を図る上ではセンター試験の過去問をお勧めしますがそれだけでは不十分です。パターンで答えらない問題が増えているので、そういった問題になれるためにも、共通テストタイプの問題も必ず解いておきましょう。
高得点を狙うのであれば原子までしっかりとやりましょう。今まで原子は必須ではなかったのですが、共通テストでは出る可能性があります。実際に出ていたので、「例年出ていないからやらない」ではダメです。基本レベルは理解しておくべきでしょう。
化学
そこまで内容が大きく変わったとはいえませんが、こちらも物理と同じく、表が増えたり、身近な現象が増えたりしています。
知識だけで答える問題が減っているので、それだけ対策が求められます。
しかし、学習する内容が変わったわけではないため、基礎の勉強は徹底してください。化学も二次対策がベースです。
理論科学を徹底し、無機有機の学習、応用の演習という流れです。夏ぐらいまでに基礎が固められるとよいと思います。そこから二次の対策に移りますが、共通テストを意識して対策を行いましょう。センター過去問である程度基本の定着を確認し、そこから共通テストの問題にチャレンジするのが良いと思います。
生物
こちらも情報の読み取りの問題が増えています。生物は暗記ではありますが、その知識だけで解けるものはあまりありません。考察の問題はある程度練習が必要ですので、共通テスト系の問題や、二次の問題などを使って対策を行いましょう。複数の分野の複合問題もありますのでこちらも練習しておきましょう。
学習内容が大きく変わったわけではないので、基礎の学習を徹底してください。あとは二次対策がベースです。
生物は暗記量が多いので、徹底して暗記を行いましょう。いくら考察が増えたからといって覚えないといけない内容が減るわけではありません。ある程度の点までは取れますが、高得点を取りにくいのが生物です。
考察の問題になれる必要があるので、共通テストの過去問はしっかりと取り組んでください。
社会の変更点と対策
世界史・日本史・倫理経済
暗記だけでなく、思考の問題も増えています。覚える際にも、単純に覚えてはいけません。その背景にあった流れや、同時期に起こったこととの因果関係を正しく理解しましょう。ある出来事に対しても、ただ暗記するのではなく、考え方、意義を含めて覚えることが大切です。
歴史も実は論理的。確かに再現性はありませんが、そうなった理由は必ず存在します。
かといって暗記が無くなるわけではないので、まずは基本的なことを暗記をして、そこに肉付けしていく形で知識を増やしていきましょう。
地理
地理はそもそも単純暗記ではないので、あまり変わっていません。センターの頃から写真や地図、グラフを用いる問題が多くありました。
地理では歴史的背景や文化的背景、自然環境を踏まえた考え方が大切です。
すべてがその通りになっているわけではありませんが、関連付けて覚えることがとても重要な科目です。
例えば、どの作物がどこに多いのかを覚えるのではなく、育てる条件を覚えておくと、気候から作物を絞ることが出来ます。コメは雨が多いほうが良い。小麦は年中多雨だとダメとかですね。
社会はセンター過去問で演習し、解答をしっかりと読み込む。という方法が、基本の暗記の定着には良いと思います。
そのあとはやはり共通テスト系で演習を重ねましょう。
まとめ
基本的にはまずは暗記などの基本を終わらせましょう。基礎なしに解ける問題はありません。あとは理系科目なら時間の短縮を、文系科目なら思考問題の対策を!共通テストは過去問がまだまだ少ないです。センター過去問なども活用しつつ対策を行いましょう。
簡単にですが、共通テストの気を付けるべき点でした。人によって必要な科目、目標点も違ってきます。どうやって目標点を取るか、しっかりと作戦を練って挑むようにしましょう。まだまだ始まってから間もないですから、一人で作戦を立てるのは難しいとは思いますので、ぜひご相談くださいね。こちらからご連絡ください。