全体的に、前回入試の私立大学は受かりやすかった。と言われています。

というのも、私立の受験者数が減り、合格者が増加したからです。

それだけ聞くと、受験が楽になったように聞こえるかもしれませんが、私立の試験内容そのものが大きく変わったわけではありません。

また、コロナの影響で県外受験が減り、超地元志向というイメージもあるかもしれませんが、それは関東圏だけです。近畿圏はそもそも地元志向が強いですから、影響をあまり受けなかったというのが正しいかもしれません。

2021年、関関同立から見る倍率の変動

関西大学

全体の倍率5.3倍 ⇒ 4.1倍

入試の形態が変わり、全学部入試の日程が増えました。関大を志望する人は複数回受験し、同じ人の合格が増えたと考えられます。

志望者は8000人減り、合格者は2000増加です。ここ3年は同じくらいの合格者数でしたが、今回は増えています。しかし、入学者はほぼ同数です。むしろ、補欠合格を2000人と、昨年に比べ1000人多く出しています。入学者数の確保がうまくいっていないことがうかがえます。

また、志望者数ですが、全体で8000減少に対し大阪だけで2500減っています。近畿圏だと5000減少です。近畿圏と外からの受験者数の割合的に、コロナの影響で他県からの入試が極端に減ったというわけではありません。地元の近畿圏だけでも大きく減っています。(例年は同一の受験者がそれだけ多かったという可能性もあります)

立命館大学

全体の倍率3.3倍 ⇒ 2.5倍

志望者数が2万人減りました。

昨年の志望者が10万人と非常に多かったということはありますが、一昨年比較でも1万減です。

近畿圏とそれ以外からの志望者はもともと半々で、2021年もほぼ半々でした。若干近畿外の方が割合は多くなっています。

同志社大学

全体の倍率3.1倍 ⇒ 2.7倍

志望者3000減っています。ただし一昨年から昨年も3000減っています。

もともと減少傾向ではありましたが、ここ数年で一番減少しているのは間違いないです。

関西学院大学

全体の合計倍率が出ていませんでした。ただ、学部ごとで見る限りはだいたいの学部で志望者は減っています。

全体のデータがない分、学部ごとの人数に注目することにしました。

人気学部の倍率はほぼ変わらずでしたので、「どうしてもこの大学のこの学部に行きたい!」という人は減っていないようです。

安全志向なら近大などの志望者は増えたのか?

関関同立を避け、産近甲龍へという流れかというとそうでもなさそうです。

全体的に私立はどこも実質倍率は減少しています。

ただ、近大の合格者数を見ていると、公募での受験者数、合格者が3000人増加しています。一般入試ABの合計でも合格者は3000人増加しています。

公募での増加の割合が大きく、「確実に合格を狙おうとした人たちが一定数いた」ということでしょう。

コロナによる休校による勉強の遅れ、共通テストの導入に対しての警戒。様々な理由があっての公募推薦での合格者増加です。

公募での合格者は全体的に見ても増えてはいるため、早めに決めてしまいたい人が多かったのでしょう。私も受験生なら、本命でなくても公募は確実に受けていたと思います。

冬は感染症が広まる季節です。安全に受験が行われるか、自身も健康でいられるかも怪しいので、「早めに併願で受けれるものなら受けておきたい」となるのも納得です。

次の倍率はどうなるか。

倍率は、下がった時にはそこまで気にする必要はありません。

どこか一つの学部、大学の倍率が下がったということであれば、ねらい目と見て来年の倍率が上がることはあるかもしれません。しかし、今回の倍率低下は全体的な傾向です。来年どこも倍率が跳ね上がったとしても、それは元に戻るだけでしょう。

倍率が上がった、下がったに振り回されることなく、粛々と過去問に取り組み、例年のボーダーをきちっと超えることを目標に勉強をしていきましょう。

どのように受験するのかを考えるのも大事ですが、そういった受験戦略はある程度大人を頼っても良いと思います。

特に今、高1高2の人たちはどうなるか分からない入試でうんうん唸るより、今の勉強に専念してください。

これから変わっていく入試に対応してくには、個人個人の志望、学力にあった勉強を提案してくれるだけでなく、きっちりと相談に乗ってくれる塾を選びましょう。

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