教科書改訂定期テスト徹底分析!(学年末 数・英編)

教科書改訂後テストはどう変わったか?

高校受験を控える中3生は一足先に学年末テストが終わりましたが、中学1年、2年はこれからです。

学年の締めくくりに来て、オミクロンの影響で学級閉鎖、学校閉鎖も増え始め、授業やテストがどうなるのか、また先が見えなくなってきましたが、準備はしっかりとしておくべきです。

今年の4月に中学の教科書が改訂され、授業内容はもちろん定期テストの問題傾向も変わってきています。

教科ごとの詳しい分析は、今後分けてお話していきますが、今回は学年末テストにも関係することをまずは数学、英語にしぼってお伝えしていきます!

出題傾向のバラつきが激しい!

教科書が変われば、授業内容も変わり、授業内容の理解を問う定期テストの内容も変わるはずですが、全国的に見ても変化の度合いはかなりバラつきがあるようです。

そもそもテストの問題傾向は学区や学校ごとに決まるというより作る先生にって決まります。

ですから、一概にすべてを同じく分析することはできませんが、全国的な大きな動きと、You-学舎の京都、大阪の4教室のテスト問題を眺めてみて気づいたことを踏まえて、学年末テストに向けてやっておくべきことをお話していきます。

「評価基準が変わった」ってどういうこと?

学校でも説明があったと思いますが、教科書が改訂されるのと同時に通知表をつける評価基準が「知識・理解」「技能」「思考・判断・表現」「関心・意欲・態度」の4観点から「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3観点に変わりました。

「知っている」だけでは評価されなくなった

今までの「知識・理解」「技能」が基本の理解に当たるところです。4観点のうち半分の2観点が基本的な知識の定着をはかるものなので、基本ができていれば到達度は50%以上とされていました。

しかし、3観点に変更されたことで「知識・技能」のみが基本的知識の習得を見る観点となったので、3つのうちの1つ、基本ができていても到達度は約33%とみなされるわけです。

つまり今まで基本知識の習得に偏っていた評価が「思考・判断・表現」「主体的~」に分散されたということです。

テストの配点割合も変わった

通知表をつける3観点の割合はおおむね3等分(若干「知・技」重めもあり)ですが、それとは別に定期テストの配点も「知・技」「思・判・表」に分けられています。定期テストの問題用紙や答案用紙に内訳を書いてくれている先生も多くなってきました。

もともと教科や単元によって配分は異なっていましたが、今回の改定でそのバランスも変わり始めています。

今年前半の全国的な配点割合の傾向を教科別にみていきます。

数学

基本ができれば60点はとれる!

学年の前半ということもあり、数学は計算の単元が多く、「知・技」が60%~70%を占める学校が主流です。

つまり基本がしっかり取れれば100点満点の60~70点は取れたはずということです。取れていなかった場合は基本がグラついていることを意味します。

高得点を狙うためには30%~40%の「思・判・表」、つまり応用問題の攻略が必須です。もちろん基本でのミスは命取りです。

数学ならではの「思・判・表」問題とは?

数学は基本重視の問題構成が多いものの、今年目立ったのは単なる計算問題ではなく「解き方」や「間違い」を説明させる問題です。

生徒たちのノートを見ると、答えだけがポツンと書いてあることがあります。

「途中式は?」と聞くと「書いたけど消した」「他の紙に書いた」という答えがよく返ってきます。またノートの片隅にグチャグチャとメモ程度に書いてあることも。

しかし、今後は単に答えだけ書ければ評価してもらえなくなってきます。解き方を“誰が見てもわかるように”書き出す癖をつけていく必要があります。

1年生の学年末テストはここに注意!

学年末テストの数学の範囲は、1年生も2年生も図形がメインです。

1年生で必ず出題されるのは「おうぎ形の面積や弧の長さ」を求める問題ですが、分数を含む計算になるので複雑になりがちです。この計算途中を穴埋形式で埋めさせる問題なんかは出やすいのではないでしょうか。

複雑な立体の表面積なども、いくつかの段階に分けて考えなければならないし、計算もややこしくなります。テストに出る出ない以前に、そういう問題を確実に解けるようにすると目には、途中をしっかり書き残してあとでどこが間違えたのかを自分でみつける練習が有効です。

2年生の学年末テストは「思・表」が多くなるかも…

2年生の図形の単元は証明問題が出題されます。これこそ「思考・表現」を問うのにうってつけの問題です。昨年と比べて証明問題の割合が高くなる可能性もあります。

証明問題は正しい結論に向かって筋道を立てて説明を進めていく作業で、「論理」の力、国語の力が絡んできます。

“証明ギライ”のひとはやってみて!

さすがに国語力は短期間ではつきません。私はまず答えを書き写させてから「答えを読みながらでいいから、先生に教えて。」と言ってみます。

証明問題がわからないときは答えを写すのは大いに「あり」です。最初は型を覚えるためにも証明の進め方をまねてみることは有効です。

しかし書き写しただけではあまり意味がありません。中にはまったく意味も考えずに書くだけの生徒もいます。記号と文字に圧倒されて思考停止する子もいます。

図形を指で指し示しながら「どの辺とどの辺が等しい」「どの角とどの角が等しい」と一つ一つ確認させていくことで筋道が実感できます。

誰かに聞いてもらうのはもちろんいいですが、声を出し、指で図形をなぞりながら自分で自分に説明することでも効果は出ます。

英語

去年の春先もことあるごとに「英語が激変するらいしですよ!」「難しくなるらしいですよ!」と保護者様方にお話しした記憶があるのですが、実際に4教室1~3年のテスト問題を眺めてみて「マジで変わったわ…」と騒いでいた張本人がまずショックを受けました。

「知・技」と「思・判・表」が半々⁉

何が衝撃的だったかは話が長くなるので別の機会に致しますが、配点の割合を見てみると、数学とかなり違うことがわかります。

英語は数学と違って「知・技」と「思・判・表」の区分けが難しく、先生によって観点の扱いに差が出ます。しかし、「知・技」:「思・判・表」が50:50とする学校が最も多いことは今回の改定で英語が難しくなったことの現われでしょう。

激ムズになった単語の出題傾向は?

「教科書が難しくなった」のは「単語」と「本文内容」が難しくなったことをあらわします。

全国の傾向からすると「単語問題が予想以上に難しくなった」そうなのですが、You-学舎4教室の問題を眺めると、確かに問われる単語は難しくなっています。しかし問題数は減っているのです。中には単語問題を全く出していない学校も半数近くありました。

これをどう解釈すればいいか…

「単語単体が書けても意味がない」ということだと私は思います。今回の教科書改訂の大きな柱の一つは「使える英語」、つまり英語でコミュニケーションをとることを目標にしています。

だから、単語ひとつを書けることを評価する意味合いは低いということなのではないでしょうか。

単語覚えはもはやテスト勉強ではない!

かといって「単語問題が出ないなら単語は覚えなくていい」にはならないことはお分かりですよね。だってテストに出てくる文には教科書単語がふんだんに使われているのですから。そしてそれら単語を含んだ「表現(熟語)」は適語補充(虫食い問題)としてどこの学校も必ず出題しています。

教科書単語の「意味」「発音」はテスト勉強以前にできていないと、何も始まりません。

暗記アプリ“モノグサ”の出番です! 

「意味」「発音」を覚えるのに活用できるのが”モノグサ”です。現在授業中に15分ほどは触りますが、それだけでは定着はしません。まぐれで当たった問題も、反応が遅かった問題もモノグサが感づいて何度も出題してくれます。

1週間で課題に出された日数をおうちで100%にしてきてほしいと思います。

「自分の考え」にとらわれるな!

50%を占める「思・判・表」の問題の代表格は「英作文」です。特に今回4教室の問題を見ていてよく目にしたのが「『自分の考えを』『自分の立場で』英語で答えよ」という問題でした。

まさに使える英語を問われるこの問題、しかしこの「自分の考え」がけっこう厄介です。

当たり前ですが、私たちは頭の中で日本語でものを考えます。生徒たちも「自分の考え」を必死になって日本語で考えて、さてそれを英語にしようとすると「出来ない!」になるのです。いかに国語力が弱くなったといわれる子供たちでも、日本語のボキャブラリーの数は英語のボキャブラリーの数に比べて豊富(なはず)です。

生徒たちは日本語でガッチリ固めた意見を「そのまま英語にしなければ!」と考えます。でもそれは無理です。

そこで必要になってくるのが「言い換え」です。言いたいことを自分が知っている単語や文法で表現できる内容に変換できればいいのですが、この「言い換え」も「国語力」なんですよね。

自分の意見が書ければそれに越したことはありませんが、まずは自分のじゃなくてもいいから「意見」が書けること、つまり教科書や学校の授業で使った意見の例文をしっかり覚えて書けるようにしておくことから始めればいいのです。

学年をしめくくり、次の学年につなげるために

1年の締めくくりである学年末テストは範囲も広く、内容も本学年で一番難しく結果も出にくくなるのは事実です。

どこに注力するかの見極めが大事

テストというものは皆に100点を取らせるようにはできていません。どこまで理解できているか、どこまで定着できているかを判断するためのものなので、差が出るように作ってあります。

ですから、現時点での理解度によって取り組む問題は違います。「知・技」をしっかり押さえて60点を目指すのならば、基本問題を繰り返すことが最優先です。

80以上を目指すのであれば、基本はできて当たり前、今年からの増えている「思・判・表」の問題の教科(先生)の傾向もつかんだうえで準備をしていく必要があります。

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