読解力=理解力

よく保護者様方から「読解力をつけさせたい」という言葉を聞きますが、これは単に国語の成績をどうこうしたいという意味ではなく、学校の授業や教科書内容をしっかりものにしてテストの点数を上げる「理解力」が欲しいということだと思います。

なぜ理解ができないのか?

一言でいえば語彙力がないからです。

言葉の意味を知らなければ、先生の説明や教科書に書いてあることの理解は浅くなり、すぐ抜け落ちてしまいます。

言葉そのものを知らなければ、先生の言っていることが理解できません。

言葉(漢字)が読めないとなると、当然教科書を読もうとしても意味が取れません。

勉強に限らず、ものごとを理解するには“ことば”(語彙)が必要です。

“変わる”学び方

「読む」が基本の学びだった時代

親世代が子供のころは、学校の授業は教科書を読み、先生が黒板にびっしり文字を書きそれを必死に写す…というものだったのではないでしょうか?

わからないことは本、辞書、参考書で調べるものでしたよね?

学ぶ基本は「読む」だったわけです。

“知覚の優位性”という考え方

1996年、イギリスの教育学者が、新しいことを覚える際のこどもたちの情報の取り入れ方を「視覚優先型」「聴覚優先型」「運動感覚/触覚優先型」の3タイプに分類し、「知覚の優位性」という考え方が世界に広まったのだそうです。

学びの多様性

確かに生徒の中には、「読むのは苦手だけど耳から取り入れた情報の理解は得意」、「書くのは苦手だけど見たものを覚えるのは得意」という子もいます。

今までのように紙の教科書と板書のみの授業ではなく、パソコンやタブレットを使ったり、音声データのコンテンツを利用したりと学校の授業のやり方にもバリエーションが増えました。

学び方を個々の特性に合わせるという考え方は喜ばしいことだと思います。

“変わらない”日本語

ひらがなと漢字

当たり前ですが、私たちは基本的に日本語で情報を得ています。子供の学習もそれは同じ。

横文字、カタカナもありますが、日本語の文はほとんどがひらがなと漢字です。

ひらがなは「表音文字」、漢字は「表意文字」です。

「あめ」という平仮名だけでは天気の「雨」なのか甘い「飴」なのかわかりません。漢字があって初めてものの意味が伝わります。

読めなくても理解が可能

小学6年生の国語の教科書に「敬う」という新出漢字が出てきます。これ、読めない中高生もいるはずです。しかし中高生が文章を読む中で「敬う」が出てきて「うやまう」と読めなかったとしても「『尊敬』の『敬』だからエライって認めることなんだろうな」という推測はできると思います。

日本語の理解には漢字が必要

先ほどの知覚の優位性の話に戻って、例えば「聴覚優先型」のタイプだったとしても、すべての情報を音だけで取り入れ、音だけで正確に理解するということは難しいのではないかと思います。

日本で生きている限り、情報を取り入れ理解するには漢字は切り離せないのではないでしょうか。

漢検のススメ

もとい「漢検の勧め」ですね。

漢検も高校、大学入試に活用できる資格ですが、英検ほどのご利益はないのが現状です。

近年の検定取得の動機は「入試に有利」が主流になってきています。もちろん、それもアリだと思います。

しかし、入試に加点されないから無駄ということにはなりません。

中高生の語彙の少なさが気になる

中高生に授業をしていて痛感するのはやはり圧倒的な語彙不足です。

説明しながら顔色を見ていると「しっくり来ていないな」ということが読み取れます。かみ砕いて説明はしますが、かみ砕きすぎると原型をとどめなくなって、今度はこっちがしっくりこなくなる…

これだけ情報が高度で複雑になっている今の世の中にあって、それら情報を理解し使っていくためには、調べて、考えて、推察して、人に伝えていかなければなりません。頭の中で考えるにしても、声に出すにしても「ことば(語彙)」を使います。

語彙を増やすには

語彙は年齢とともに増えはしますが、自然に増えるわけではなく、自分の言葉になるのは見たり聞いたりしたものに限ります。

ですから意識的にたくさんの言葉に触れていくべきですし、さらに言うならば早い方がいいです。

つまり、高校生よりも中学生、中学生よりも小学生のうちから語彙を増やしていくのが望ましいのですが、いかんせん小学生は難関私立中学の受験でもしない限り切実な必要性がなく、モチベーションが保てません。

学校の漢字テストで点が取れないと怒られる程度では継続的な学習にはつながらないし、興味を持って取り組むこともできません。

成長を可視化する

そこで利用できるのが「検定」だと思うのです。

進歩が目に見える数字(級)になり、ステップアップしていくことで自信にもなる。すべての学習の基盤になるはずの小学校6年間は、勉強面ではメリハリがあまりありません。

漢検はそんな小学生の学びにはっきりとしたステップを作り、それを登っていく楽しさを感じさせることができます。

もちろん中学生にもお勧め!

中学生は部活もあり時間的な余裕は小学生ほどありませんが、まだまだ頭も柔らかく、吸収力もある年齢ですから、一生モノの知識と理解力を付けるためにチャレンジすることをお勧めします。

漢検は漢字の知識を増やすことで文の意味もわかるようになる、つまり理解力をつける土台作りに役立ちます。

ご質問、申し込みは気軽にYou-学舎LINE公式アカウントにどうぞ!

お友達登録だけでも大歓迎です!定期的に学習や教育に役立つ情報をお届けします‼

友だち追加