中学準備 2つの視点

6年生の皆さんは小学校生活残すところあと1か月ちょっと。

6年間の小学校生活との別れを惜しむと同時に、新しい中学校生活に希望半分不安半分といったところでしょうか。

しかし、これが親の立場になると「よくぞここまで育ってくれた!」という感慨もおありでしょうが、「中学校の勉強大丈夫?」という不安の方が大きいかと思います。

少しでも不安要素をなくすために中学に向けての準備をお考え(またはもうされている)方もいらっしゃると思いますが、準備を考えるうえで大切な「視点」についてお話しします。

準備 2つのポイント

中学校生活は3年間。小学校の半分と短いわけですが、心身共に一番成長し、生活リズムも変わる期間です。3年間一本調子に進むことはありません。

準備のための視点のポイントは2つ

出だしの勢いをつけるための準備(短期的展望)

入試を見据えた準備(長期的展望)

です。

出だしの勢いをつける

勢いをつけるには「自信」「やる気」

生徒を指導していて痛感するのは、結果を左右するのは「気」です。まあ、いわゆる「やる気」ってやつです。

確かに能力には個人差はあり、最後まで突き詰めていくと「読解力」「理解力」「統合力」という長年積み重ねないと備わらないもので差がつくところは出てきます。

仮に1回問題を解けば理解できる子と5回問題を解いて理解できる子がいたとして、もちろん1回でできる子の方が楽ですが、5回の子が問題をしっかり解き理解できれば立場に差はありません。

5回より1回で理解できるに越したことはありませんが、それでもその気になって5回問題を解いているうちに5回が4回、4回が3回というように理解の速さは必ずついてきます。

とはいうものの、このような理屈で子供が動くわけもなく、有効なのは

「やったらできた!」

という「結果」を出すこと。「自信」を持つことです。

高得点が狙えるのは「数学」

中学校に入って最初の定期テストで点を伸ばしやすいのは「数学」です。

なぜならば、ほぼ計算問題だからです。しかも早ければ1学期後半には学習する「文字(aとかxとか)」を使うことのない、数字だけの計算です。

難点を言えば、今まで習っていない「負の数(マイナス)」の概念が入ってくることで混乱しやすいというところです。

ですから、最初のテストで数学の点数をしっかりとるために今できることは、少しでも早く「正負の数」の計算に慣れておくことだと思います。

「正負の数」の計算の注意点は、どれだけ簡単な計算でも途中式をしっかり書く習慣をつけておくことです。

中学生の計算ミスナンバーワン(?)はマイナスの付け忘れです。これはマイナスがあることをわかっていても途中式を書かないことで付け忘れる場合もありますが、習いたてのうちに途中式を書かないことで「なぜプラスになるのか、マイナスになるのか」の判断が曖昧になることで引き起こされる、数学を勉強する間ついてまわる根の深い問題になっていきます。

また、「正負の加減」(足し算と引き算)と「正負の乗除」(かけ算とわり算)それぞれは順調に理解できても、両方がいっぺんに出てくると混乱するお子さまは多いと思います。

その場合も途中式をしっかり書き、なぜそうなるかという計算のルールをしっかり理解しながら練習することをお勧めします。

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入試を見据える

高校入試で英語資格を利用する

特に上にご兄弟がいらっしゃる保護者様はご存知だと思いますが、大阪府の公立高校入試の英語は英検2級で読み替え率80%(90点満点の72点)です。

大阪府公立高校入試の国語、数学、英語はA,B,Cと問題難易度が分けられており、Cが一番難しくなっています。

2022年度英語B問題の平均点が49.7点、C問題でも62.1点であることから英語資格の優位性はお分かりだと思います。

とはいうものの、英検2級は高校3年生レベルなのでそう簡単に取得できるものではありません。

もう少し細かく説明していくと

5級→中1レベル

4級→中2レベル

3級→中3レベル

準2級→高2レベル

と言われ、5,4級は記述がないので単語力があれば受かりやすく、これは小学生でも比較的気軽にチャレンジできる級です。(単語をしっかりやれば!)

しかし、3級になるとライティング(英作文)が加わりハードルが上がります。中学3年間の文法事項の理解が必要になります。そして3級の文法理解がその先の準2級、2級の合否にも影響していきます。

高校入試で2級を利用する場合会場受験ならば6月の第1回、パソコンを使ってのS-CBTでも夏休み中にとっておいた方が望ましいと思います。

先程3級でハードルが上がるといいましたが、3級から準2級はさらにハードルが高くなります。1学年のレベルのきざみが一気に2学年になるわけですから。

つまり、3級、準2級そして2級と進むにつれて一発合格が難しくなります。そのことを踏まえると準2級は中2の秋口、3級は中1終わりから中2初旬に取っておく必要があります。

そうやって逆算をしていくと、もし英語資格を高校入試に使いたい、使った方が有利(文理学科受験者は平均して55%が英語資格を利用)という方は資格取得を長期に計画的に取り組む必要があります。

読み替え率だけがメリットではない

「うちの子が2級なんてとてもムリ!」

「2級が取れなければ意味がない。無駄でしょう?」

という保護者様、生徒さんがいますが、2級を取ることだけが高校入試のメリットではありません!

3級取得のメリット

中3レベルの3級を中3の秋口に取っておけば、英語の受験勉強がかなりスムーズになります。大阪公立入試には必ず英作文が出題されますが、3級取得をしているということはこの英作文の型もちゃんとできていることになります。

また、3級レベルの単語力があるのとないのとでは授業の進みにかなり違いが出るというのが教えている現場の講師たちの共通の意見です。

文法を学ぶにしても結局は英単語の羅列です。単語が分からなければ文の意味、文の構造を理解できるわけがありません。

また、大阪公立入試の英語の問題は文法問題が単独で出題されません。対話文や長文を読ませたうえで文法や内容が問われます。

単語が分かっていれば英文の中のわからなかった文法や文脈の確認だけで済みますが、単語を知らないとなると文全体の内容が分からず、全部を手取り足取りで訳す時間も十分に取れません。結果解ける問題が極々限られてしまいます。もちろん英作文も苦戦します。

別に3級取得しなければだめ!と言っているのではありません。また、英検取得が入試限定のメリットだとも思いません。

5級、4級取得のメリット

先程5級、4級は単語力で何とかなる、小学生でも手が出せるということを言いました。

現在小5、6年では英語を教科として学んでいます。しかし学習の狙いは「聞くこと」「話すこと」「単語に触れること」であり、「覚えること」までには踏み込んでいません。

ところが中学1年の英語の教科書は小学校ですでに習っていることを前提にバンバン単語を出してきます。しかも中学には筆記のテストがあります。

いきなり単語を書けるようになるのはハードルが高いですが、最低限読めて意味が分かる状態にしておけば理解は進みます。

理想を言えば中学入学までに5級や4級の取得で単語力をしっかりつけておき、小学校の中学校の英語授業のギャップを乗り越えると、中学校での英語での苦労が軽減されると思います。

ウチが英検準会場だからといって英検協会のまわし者というわけではないのですが、生徒たちを積極的に英検取得に取り組ませることで、学校の授業や高校入試、大学入試にも役立っているという実感はあります。

たかが中学、されど中学

あまりいろいろ言い過ぎてかえってハードルを上げてしまってらごめんなさい!しかし中学は誰もが通る道、たかが中学です。

とは言ってもお子さまが劇的に成長し、高校入試につながる期間、されど中学です。できる準備から始めてください。

中学入学直前、短期的な視点と長期的な視点、お子さまの特性によっても判断は違ってきますが、ご参考いただければ幸いです!

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