You-学舎名物「テストキャンプ」とは

 

テスト範囲の暗記を二日間かけて一気にやってしまうという、かなりチカラ技なテスト対策です。

教室によって時間は多少違いますが、南茨木教室は12:30〜21:00、休憩時間を除けば約8時間ひたすら暗記をさせます。

それぞれの学校、学年のテスト範囲に合わせて基本全教科をやるのでかなりの分量。始まる前に必ず生徒たちから出る言葉は「一生終わらへん」

でも始まってしまえば健気に格闘していくのです。エライエライ。

 

中学1年坊主たちの成長に感動

今年度最後のテストキャンプ。どの生徒さんも回数を重ねるたびに暗記が上達しますが、中でも中1生の成長には目を見張るものがあります。

昨年の5月、1学期中間テスト前のテストキャンプの時は、それはもう大変でした。暗記どころではなく、座ってノートに用語や単語を書かせるだけでひと仕事です。

まあ、つい最近まで小学生だったのだから仕方がないのですが…

まとまった量の単語や漢字を、一気に覚えるということを今までしたことが無かったでしょうから、一つ一つ覚えるのに恐ろしく時間がかかる。結局2日かけても半分も覚えられませんでした。本人も監督する講師もヘトヘトです。

 

日ごろはあまり意識していなかったのですが、今回のテストキャンプであらためて中1生たちをじっと見ていると、心なしか体もしっかりしてきて、覚えるスピードも上がってきています。当初は小さいネズミのようにチョロチョロ、キョロキョロしていたことを思うと「ああ、中学生なんだなあ」と思わず母の気持ちになって感動してしまいました。

 

 

「書いて覚える」神話

 

覚えるときに「書いて覚えなさい」とたいていの親御さん方は言われるでしょうし、もちろん私たちもそういう言い方はします。しかしながら私はなんでも書けば覚えられるとは思いません。例えばよく英単語をノートにびっちり書いている生徒がいますが、答えが見える状態で5回、10回書いたところで覚えられません。子供たちは「覚えた」と言いますが、その根拠は「10回書いたから」…う~ん。

何も見えない状態でちゃんと書けた時に初めて「覚えた」と言えるのです。ですから私は生徒たちには「見ながら書くな」と言います。何回か覚えるために書く時も、一旦単語(用語)を頭の中に入れて何も見ない状態で書き出してみる、それが間違っていないかどうかを確かめる、の繰り返しを勧めます。

 

また、じっと見て空中で指で書いてみて(または心の中で呟いてみて)から答えを見て「うん、覚えた」と安心する人がいます。まあだいたい覚えているのかもしれませんが、形になっていない時点で怪しくなります。自分にも心当たりはありますが、ちょっとした間違いだったら「そうそう、そう思ってたんだよね~」と覚えたことの判断が甘くなります。なぜ書くことが覚えるのに必要か?それははっきり形にして本当に覚えたかどうかを自分自身で公正にジャッジするためです。

 

 

暗記ですべてが解決するわけじゃないけれど…

 

テストキャンプをしたあとに授業中過去問を解かせてみると、覚えたはずなのに答えられないということもよくあります。暗記は頭の中に単語や用語を入れる「インプット」作業でしかなく、その一方で問いに対して正しく覚えた知識を出す「アウトプット」の練習も必要です。

子供たちにすれば「あれだけ覚えたんだからいい点が取れるはず」と過大な期待をする気持ちもわからないではないのですが、暗記だけでは自分が期待した点には到達しないと思います。

「じゃあ暗記をしても無駄」という生徒もいます。いやいや、無駄ではありません!

先ほどの「インプット」「アウトプット」で言えば、必ず先に来るのは「インプット」です。入れるモノを入れなければ出せません、何事も。

そして入れたらなるべく外に逃げないよう貯めておかなければいけません。入れることよりもこの「貯める」ことが暗記の肝です。そしてこの「貯める」ということがとても労力がいる、しんどいことなのです。

 

私は暗記の力も筋肉と同じで鍛えないと強くならないものだと思います。1日だけ急に筋トレしても筋肉痛“になるだけです。テストキャンプはテスト直前の2日間なので、言ってみれば“にわか暗記”ですが、これをテストのたびに繰り返していくことで継続的なトレーニングとなります。

また軽~いダンベルをもって楽なトレーニングをしても筋肉は付きません。テストキャンプ中に生徒たちはなるべく数量を刻んで覚えたがります。つまり、40個を一気に覚えるところを10個ずつに分けて覚えたいと言ってくるのですが、その交渉は断固拒否します。だって少なくすれば簡単に覚えられますもん。暗記力は育ちません。

 

「苦しい」と「楽しい」の絶妙なバランス

 

暗記に限らず鍛えるためには負荷をかけることは必要ですが、苦しいだけでは8時間×2日は続きません。

時に生徒たちをイジリながら、時に生徒たちのおふざけも片目をつぶって見過ごしながら、かといって暴走しないよう、この2日間の私のキモチは「牧羊犬」

ちょっとダレてきたなと思ったら急遽「特別ルール」を発動し、生徒たちを「え~~っ、無理だってぇ~~」と半泣き状態に追い込みます。

 

しかしなんだかんだ言って、真剣な顔で、手が痛いと言いながらも書き続けてよく頑張りました!

次は5月。新しい気持ちでまた暗記の力を鍛えていきたいと思います!

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暗記問題は覚えるだけでは解くことができない

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