春期講習が始まり1週間が経とうとしています。

 

学校課題が多すぎて大変だったけど、仕上げた人。

すっかり勉強のペースが崩れちゃった人。

塾課題も学校課題もきちんとこなして、スムーズに学習をスタートできた人。

 

君はどんな人?

 

たくさんの失敗、たくさんの夢

 

「すっかり勉強がめんどくさくなった」「もういやや」

こんなネガティブな声を聞きました。(高1男子)

 

理由を聞けば、成績が返ってきて化学のクラス順位が下がってしまったとのこと。

さらに古文や世界史をどうやって克服していいか分からない。

 

これだけ聞けば、「あぁ、成績下がってご機嫌良くないのね」とも考えれますが、

彼は化学でずっとクラス1位(今回は2位)で、

英語もずっとクラス1位(同じ点数の人がもう1人いたようで、同率1位)なのです。

 

ただガッチガッチの理系男子なので、古文の「もののあはれ」「をかし」の世界が自分には理解できない。

世界史のような膨大な暗記をするのは我慢ならないとのこと。

なるほど、まじめに傷ついたのですね。(複雑)

 

しかし、ずっと行きたい国立大学があるので、そのためには理系には関係のない

現代文・古文・世界史などの科目をきちんと学習しなければなりません。

 

これを失敗と思わず、試練だと考える。

為せば成る。

 

嫌なことかもしれないけど、せっかくなりたい仕事もあるわけだし、

その大学に行くならば、これらの勉強は避けられない。

 

あまり勉強と思わず、今は「古文と親しむ」ように話しました。

 

 

「もののあはれ」「をかし」を知る

 

「じゃぁ、今週は「マンガで古文」という本を2つずつ読み、

先生にどんなジャンルの作品で、内容はどんなだったか説明してみて。」

 

 

こんなやり取りを1週間前にし、

真面目に今週ずっとほぼ毎日報告してくれました。

きちんと説明できています。そして時代的な背景まで理解しています。

伊勢物語に至っては、ほぼ完全に世界観を説明できました。単純にすごいと思いました。

それでも悩んでいるのは、「もののあはれ」「をかし」を感じれないし、「楽しくない」から。

 

「冬はつとめて。(冬は早朝がよい。)」のくだりを例に、

冬の早朝といえば、寒くて寒くて仕方ないよね。その朝に炭をもって廊下を走る姿っていうのに

趣を感じているのは理解しています。夏にこんなことしないよね、冬ならではの風景に

「あぁ・・冬かぁ・・・」ってしみじみ感じていた訳なんですが、

 

「冬なら寒くて当然。」ということで話は終了。

 

勉強には、こういうことはつきものですね。

私たちが学生時代に学校の先生が説明するように、

「もののあはれ」「をかし」が理解できたかと言えば、到底理解できなかったはず。

 

「まずはそこに悩まず、作品を理解してみて、

もしも同じジャンルの同様の作品が模擬試験で出てきたら、

作風を理解したうえで回答出来るんだし、十分リードできてるよ」

 

 

※もののあはれ・・・しみじみとした深い感情。しみじみとした趣。

平安時代の文芸の美的理念の一つ。自然・人生に触れて起こるしみじみした内省的で繊細な情趣。

あらわな表現を避けて、洗練された繊細さを重んじる。

 

 

それでもご機嫌ななめ…

 

う~ん、20分くらい吐き出したいだけ吐き出した彼。

「まだまだ毎日愚痴りながら勉強するけど、先生聞いてな。」

 

すこしすっきりした様子。どうやら話を聞いてほしかったよう。

 

それでも、嫌なことなのに毎日向き合って、

言われた課題をこなせたのは本当に偉いと思います。

しかもきちんと言葉で説明できました。

心で理解できなくても、頭ではきちんとわかってる。

まずはそれでよいかなと感じました。

 

殻に閉じこもって、言いたいことも言えないまま

悩まず吐き出してくれてどうもありがとう。

 

もうしばらく愚痴を聞こうと思います。(おわり)